児玉邸について

児玉邸の歴史

児玉家はこの地に古くから住み、現在の住宅は児玉彦助が、
明治26年(1893年)に、隠居分家のために建てたもので、築約130年です。
900坪の宅地には、主屋、土蔵、蚕室、馬屋、味噌部屋、乾燥室、表門、東門、西門、南塀石垣、西塀、北塀など12棟の建物で構成されています。畑や竹林を含めた敷地は約2000坪。石垣の上になまこ壁の土蔵は2階建てで、土壁と共に城郭のような趣があり、現在は、陶芸が趣味の父の作品、母の絵画、そして子供、孫たちの作品などを展示している家族のギャラリーとなっています。

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明治初期から大正末期、日本の代表的な輸出産品は絹でした。特に長野県は養蚕・製糸業が盛んになり、農家はこぞって母屋の2階で蚕を飼いました。児玉家では別棟を建てて大きな蚕室を構え、周囲の畑に桑を植えて養蚕に励みました。

また児玉家では、明治時代初期からは味噌・醤油の醸造業も営んでおり、その際に使用していたヤマタマ印の屋号は、現在私たちのワインのラベルデザインとなっております。

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この先の100年をつなぐ場所へ

現在の家主は私の父で4代目、大正12年生まれの97歳。2014年、横浜から移住してきた私たち夫婦2人と、2018年、お嫁さんの出身地のドイツから2人の孫を連れ帰国した次男家族の4世代で、賑やかにこの家で生活しております。しかし、現代には稀な大規模な古民家の維持には相当の資金も必要で、瓦の葺き替えだけでも2000万円の見積もり、蚕室も営業の消防法を通るためには、基盤からの再築が必要で、桁違いの資金が必要とのこと、、ワインづくりを始めたきっかけの一つも、この家を維持してゆくためでもあります。

いつかは蚕室を改装し、そこでワインを製造をするのが夢の一つですが、今は次男が中心となり、長い間放置されていた家の様々な箇所を修復、DIYし、少しでも家族が快適に過ごせるように先代から受け継いだ歴史ある家をなんとか死守しております。

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収穫の時期には毎年、Facebookから収穫を手伝ってくださる方々を募集しております。
普段の都会での生活では味わえない自然の中での達成感と疲労感がとても気持ち良いと好評を頂いております。収穫を終えた後は、児玉家の畑で採れた野菜中心の料理とワイン、またドイツでは大道芸を生業としていた次男の大道芸ショーをお気持ちばかりですが、振舞わせて頂いております。田舎への移住とワインづくりに関心がある方々にも良い体験の場となって頂けるかと思いますので、お気軽にお問い合わせください。

いままで住宅部分は一般公開などをして、児玉邸と地域の歴史を多くの皆さんに伝えてきました。しかしこれからは、「シルクからワインへ。」のテーマと共に、以前開催した中庭での音楽イベントを含め、伝えるという場のみではなく、ここが「つながる」場所にもなっていけば良いと考えております。


*現在新型コロナウィルス感染防止のため、児玉邸見学をお断りしております。状況が落ち着きましたら、事前にご連絡、ご予約の上、ご見学にいらしてください。