田舎の風景

rose

エッセイ

#001

幼少期を自然豊かな場所で過ごした私にとって、毎日遊ぶ時は色んな発見がありました。家の周りにはマンゴーやミカンの大きな木がたくさんあったため、美味しい果実が食べられる時期には近所の子供たちが自然に集まり、一日中、木登りをしたり、虫や鳥を追い掛け回したりしました。 毎日同じ仲間と同じ遊びをしても、毎回感じるワクワク感は違っていました。 あの時、祖父母がなにげなく言っていたことも、今ではすごく重みのあることばだなぁ、と昔のことを思い出したりします。 私が生まれた、のどかな故郷では今も変わりなく地平線が360度見渡せます。夕焼けもとてもドラマチックです。 まだ六歳だった頃、畑から帰る途中、赤い空を見上げていると祖母はさりげなく「毎日同じ夕焼けはないんだよ。」と一言。生涯忘れられない大切なフレーズです。 自然は毎日違う顔を持つ。私もいつも気持ちを新たにして生きなければ、と祖母に教えられました。