メディチ家一族が蒐集した膨大なコレクションを核とする美術館。
かつてメディチ家の事務所として用いられていたことから、
イタリア語で「オフィス」を意味する「ウフィツィ」と呼ばれるようになりました。
美術館の始まりは、1581年トスカーナ大広フランチェスコ1世・デ・メディチが
代々のコレクションを陳列したことにさかのぼります。
18世紀にメディチ家の継承者が途絶えたとき、最後の子孫は、一族の美術品がフィレンツェに残り、
市民に供されることを条件に、大公国にコレクションを寄贈しました。
その後、イタリア政府に委譲され、国立の美術館となります。
また、イタリア国内の美術館としては収蔵品の質、量ともに最大のものであり、
1982年に世界遺産フィレンツェ歴史地区の一部として認定されています。
ギリシャ神話におけるヴィーナス誕生の物語を描写したもの。
愛の神であるヴィーナスは海の中から
女性の姿で生まれてきたとされています。
サンドロ・ボッティチェッリ《ヴィーナスの誕生》
1483年頃 / テンペラ、キャンバス
ウフィツィ美術館
新約聖書内にあるルカの福音書において
大天使ガブリエルがマリアにイエスキリストの
受胎を告知しにきたシーンを描写したもの。
マリアが手にしている百合の花は
処女性とフィレンツェを表しています。
レオナルド・ダ・ヴィンチ 《受胎告知》
1472年 - 1475年頃 / 板、油彩、テンペラ
ウフィツィ美術館
翼をもつ子どもが、自分の背丈よりも大きいほどの
楽器リュートにもたれかかるように描かれており、
愛情に満ちた決意をもって弾こうとしている様を描写したもの。
ロッソ・フィオレンティーノ 《リュートを弾く天使》
1521年頃 / 油彩、板絵
ウフィツィ美術館